仏壇についてあれこれ

仏壇
引用:https://koundou.com/

1.家庭の中の小さなお寺

仏壇は家庭の中の小さなお寺と言われます。

それは各家庭で信仰する宗派の御本尊を安置するとともに先祖の霊をおまつりする場所であって、心の中にいる大切な人達と今の自分達とをつなぎ、時によっては心の中の対話の相手にもなってもらう等して心のよりどころとなる場所でもあるからです。

そういう大切なものであるからその購入に当たっては慎重にならざるを得ません。

仏壇を新しく整えるという機会は、親族の死により新しい仏を迎えることになった時が一般的です。
購入した後は反永久的に家の中に安置して毎日礼拝する所ですから、自分の納得のいくものを求めたいものと思います。

2.宗派(地域)によって種類や荘厳の仕方に違いがある

購入するに当たって予め知っておくべきことがあります。
それは宗派によってあるいは地域によって種類や荘厳の仕方に違いがあるということです。

先ず種類ですが、伝統的な作りのものと、現在の住宅事情や価値観にマッチした作りのものがあります。
現在の住宅は洋風の作りで日常の生活も椅子に腰かけることが大部分であり、畳にお座りが出来ないなんて言う人もこの頃多くなりました。

また、マンション等限られたスペースでの生活では、大きな仏壇を置く余裕はないといえます。
さらに高齢の人で足腰が弱くなり、椅子での生活を余儀なくされている人が大勢います。

そのような事情を抱えている場合には、例えばお座りしなくても立ったままでおまいりできるとか、狭い場所にも置くことが出来る等のニーズが満たされるものが必要です。

また、洋風の住宅では室内の壁やインテリア等和風の住宅とは違った感じに出来ていることが多く、大きさや形だけでなく、室内やインテリアの色等に合ったものでなくては落ち着きません。

3.和風住宅には伝統的な作りの仏壇の方がマッチする

昔からの和風の住宅の場合はどうでしょう。
部屋の広さに違いはあっても、障子やふすまによって仕切られた畳の部屋で、お座りして過ごすのが普通です。

お参りする場合にも畳に膝を折って座りますから、その時に都合よい高さが望まれます。
また、デザインは現代的なものより伝統的な作りの方がマッチします。

伝統的な作りは大きく二つに分けることが出来ます。
一つは金仏壇といって、木製の素材の上に漆を塗り、その上に金箔を貼った豪華な印象のものです。

これは主に関西方面で使用されることが多いようです。
もう一つは黒檀・紫檀といった銘木を材料としてその美しい木目を生かしたデザイン、作り方をする唐木仏壇というものです。

こちらの方はどちらかといえば関東方面で多いようです。

木製のものといっても扉をはじめ中の飾り棚等も細かい緻密な彫刻が施されていて金箔の輝く華やかさはありませんが、渋い色調の中に落ち着いた重厚さが感じられます。

4.新しい仏壇を購入したらまず行うこととは?

そしてお寺で仏像を拝む時、自分の目の高さより少し上の高さにある仏像を拝む時に安心感と有難さを感じるものですが、家の中でもこの程良い高さで拝むことのできるものを選びたいですし、伝統的であっても現代風であっても自分の感覚にしっくりくるものを選びたいです。

さて、新しい仏壇を購入しました。
そうしたら最初に行うことは、菩提寺にお願いをして開眼供養をしてもらうことです。

全く新しく整える時には、自分の家の宗派の御本尊も一緒に、それと荘厳する仏具類も一式そろえるのが一般的です。

御本尊や仏具類は専門店であれば宗派別に必要なものはわかっているはずですが、御本尊は例えば臨済宗は釈迦牟尼仏が仏ですが、お寺によっては薬師如来や観世音菩薩を御本尊としている場合もあります。

家の中の小さなお寺というならば、自分の家の菩提寺の御本尊と同じものがよいので、まずは菩提寺に尋ねてみるのが良さそうです。
仏像は少し上等の質の物を求めましょう。

毎日礼拝しお顔を拝むものなので自分が美しいと感じるあるいは心から親しむことのできる表情の仏像を丁寧に選ぶのが良いです。

5.家に仏壇を迎える日は吉日を選ぶこと

また、新しく購入して家の中に運びいれる時も吉日を選びましょう。

たいてい良心的なお店では高価なものや大切な意味のあるものを納入する際には大安等一般に吉日とされる日を選んで持ってきたくれますが、自分の方でもそのことを念押ししてもかまわないことです。

新規購入でなく買い替えの場合も同じです。
運び出す日、納入日は同じでしょうが吉日に行いましょう。

古い方はもちろん菩提寺にお願いして魂抜きの儀式をしてもらいます。
これまで家の中を守ってくれていたことに感謝しつつ送りだします。

6.毎日のお参りは朝夕行うのがベスト

荘厳の仕方は宗派によって少しずつ異なりますが、それも菩提寺あるいは購入した仏具専門店に教えてもらいます。
毎日のおまいりは朝夕行うのが一番よいですが、仕事の都合その他諸事情もありますから、無理なく続けられるようにします。

お参りは、燈火、線香、供花、お水、ご飯やお供物等をお供えします。
お花や水はいつも清潔なものを、お供えは故人の好物や季節の初物をあげるのが良いです。

日常で困ったことがあった時に仏像を礼拝しているからといって明らかな御利益が得られるというのではなく、信仰心をもっていることで心にゆとりと安心を持つことが出来ると考えます。