人間の歴史を振り返ってみると、一般的な傾向として男尊女卑の時代が長く存在していたということがよく知られています。
そのような状況は現代社会においては必ずしも望ましいものであるとは考えられておらず、女性の社会進出を推奨する風潮は世界的にも進められている状況です。
畑恵先生が日本の政治を斬る!
日本でも世界的な流れを受けて女性の活用が叫ばれるようになっており、世界に負けないほど対応が進められているという印象を持っている人がいるかもしれませんが、実際のところ状況としてはあまり芳しいものであるとは言えません。
大企業の役員人事などでは海外からの影響を考慮した人事もすでに意識しているケースはあるものの、日本の文化の中ではまだまだ男社会であり、人材不足が指摘されています。
例えば政治家の代表的な存在である国会議員の男女比率を考えた場合、1995年の女性国会議員の比率は11.3%であったという記録があります。
この数値が高いと思うか低いと思うかは人それぞれですが、これが2019年1月の段階で24.3%にまで伸びています。
国会議員の4人に一人は女性議員であるという状況がすでに生まれており、一般的なイメージとしては進出が大いに進んでいると感じられることでしょう。
しかしながらこの水準は政治家の社会進出という側面で見ても世界レベルでは後進国の扱いになっています。
実はこの水準は世界的にみると1995年の世界標準の水準にも達していません。
このレベルでは世界193か国中165位とかなりの下位に位置しています。
これは先進諸国を代表するG20で考えた場合には再開になる数値です。
このような比率はその国ごとの文化や風習というものがありますので、必ずしも良し悪しにつながるものではないと言えますが、海外から日本を見た時に女性が活躍しにくい仕組みが社会に存在しているということを感じさせている可能性は考えるべきです。
なお、世界の傾向を見ると全体的に中南米諸国は高い水準にあることが知られています。
西欧諸国で男女比率を見た場合
その次に西欧諸国で男女比率を見た場合に高い水準を維持しているという傾向があります。
フランスやイタリア、ドイツやイギリスといった西欧諸国は軒並み高水準となっています。
イメージとは少し違うかもしれませんが、実際にはこのような状況です。
背負い時下というのはかなり特殊な立場ではありますが、世の中を左右する力を持つ職種であるというのは言うまでもありません。
そのような職業における男女比が重要視されるものであるというのは、一般的な考え方として理解できるものです。
性別によって有利不利が生まれるのは望ましいことではありませんが、現状としてはこのような推移を見せています。
日本国内の主要な政党における衆議院女性比率
なお日本国内の主要な政党における衆議院女性比率については、2019年3月時点の数字が公表されています。
最も高いのは日本共産党の25%であり、最も少ないのは国民民主党・無所属クラブです。
与党自民党はおよそ7.8%となっており、比較的男性の文化が根付いている政党であると考えることもできるでしょう。
政治家と言っても様々なセクションがありますが、衆議院ではこのような状況となっています。
選挙の際には男女比の差をそれほど顕著に感じる事はありませんが、実際にはこれくらいの違いが出ているという現実を知っておくことも大切でしょう。
一方参議院では傾向が少し異なり、比率が高めになっています。
最も高いのは主要政党では日本共産党であり35%を超えています。
最も低いのが与党自民党であり約15%です。
1番低い水準ではありますが、衆議院に比べるとかなり高めになっており参議院の特徴が出ているとも感じることができます。
世界的に見た日本の女性比率
最近ではどの政党も男女比に関しては公平に対応していると言うイメージがメディアを通じて感じられる部分がありましたが、実情としてはこのような数字が出ているのです。
そしてこの数字は世界的に見るとあまりバランスのとれた比率であるとは考えられていないと言うのも、また事実です。
国際的な視点で見た場合、男女平等の社会であるということを対外的に示すための一つの指標として機能していることは疑うことのできないものとなりつつあるようです。
このような傾向は一般企業等の政治の世界以外でも使われるテーマになってきていますが、実際のところ最も進んでいるのが政治家や公務員といった公共の立場の現場であると言う流れがあります。
一般企業ではまだまだこのような考え方自体が存在していても、実際に行動に移すことができていないと言う状況が顕著に見られます。
どのような世界でもそうであると言えるかもしれませんが、まずは公的なポジションから変化が始まっていくと言えるでしょう。
そのような意味では日本はまだまだこれからの段階であると考えることもできます。
世界に少し遅れる状況ではありますが、今後ますます社会全体の考え方の違いが生まれていくことでしょう。