世界の貧困層についてユニセフが解説

よくTVや新聞のニュースや記事で、世界の貧困層の割合はどのぐらいいてとか取り上げられて言葉自体は知っているけど、実際どんな物なのかを理解している人は少ないと思うので紹介します。

貧困層の定義

貧困層の定義は、どのような状態の事をいわれているのかまず疑問を持ちます。
定義は、1990年に世界銀行と独立した研究グループが共同で発表した設定ラインがあります。
各国の物価データを基に割り出した購買力平価により、1日1アメリカドルを得られない人の事を言うようになりました。
それが世界の物価上昇に伴って、2005年には1日1ドル25セントとなり、2015年には1ドル90セントへと変遷して行きました。
そして2015年度で統計したら、1日1ドル90セントを得られない層の総数は、約7億人いると発表されました。
約7億人は多く感じられますが、1990年代に統計を取り始めた時よりはこれでも減少した数字です。
1990年には約19億人だったので、それを考えると大幅減少と言えますが、まだまだ深刻な状態と言えます。

貧困層の生活水準

先進国で暮らしていると、1日1ドル90セントで日本円に換算すると2020年現在で200円も稼いでないのは、仕事をしないで怠けていると考える人もいるかもしれませんが現実は違います。
例えば南米のある極貧国の遊牧民の生活を見ると、標高4000メートルを超える高知でアルパカやラマなどを遊牧して生活してきました。
家畜の世話をして毛皮を取る事が生計の元ですが、毎年1頭の毛皮は7ドル50セントでしか売れません。
これだけの収入では年間約200ドルしか稼げないので、4人家族で計算したら一人年間50ドルで、極貧生活しかできないです。
生活実態も電気もガスも無くベッドも無く地面で雑魚寝する生活を続けていて、先進国との生活格差がどんどん広がっています。

ガーナでは子供達が過酷な労働をさせられている

ガーナでは2020年現在ではフェアトレイドが進んで減りましたが、今でもチョコレートの原料のカカオを取るために子供達が過酷な労働をさせられてます。
カカオの実は枝が割けやすいアフリカの樹木の高い所になっているので、大人だと木を登る途中でさけてしまうので、体重の軽い子供たちが低賃金で働かされてます。
そして危険なカカオ取りの仕事をして家族の生活を支えているのですが、かなりの低賃金なので極貧生活をしています。
危険な労働を続けて作業中で落下して死んだり、極貧であまり食事を食べずに重労働のカカオ取りをさせられるため、長く生きられずに貧しい生活から抜け出せないで生きてます。

貧困が世界中で解決しないを日本ユニセフが解説

では何故こういった貧困が世界中で解決しないのかというと、いくつかの共通の要因が考えられてます。
そういった国の政治や権力者が、腐敗していて機能していない事が考えられます。
途上国では日常茶飯事で既得権を持った権力者や公職についている人が、汚職や不正を繰り返しています。
だけどそういった権力者や公職者を取り締まるシステムが無いので、汚職や腐敗はずっと続いて貧富の格差が広がってます。
内戦状態や宗教問題も、貧困を生む要因になっています。

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宗教は紛争を起こして治安を悪化させる傾向にある

テロや国内で内戦が起きていて空爆をされるような状況では、経済や商売も危険すぎて発展しないからです。
そして経済や商売が出来なければ、仕事にもつけないので貧しくならざる負えません。
そして貧しい生活をしている国では、その辛い生活を自分一人では何とかできないため宗教にすがる傾向があります。
そして宗教は自分の教えの仲間を増やすために、他の宗教信者と度々紛争を起こして治安を悪化させます。
貧しい生活からの救済をもとめて熱心に信仰活動をする事が、かえって紛争の火種になるというのは皮肉な事です。

貧困国で生活している人自体が解決しようとしていない

そして最後の要因は、貧困国で生活している人自体が解決しようとしていない事が要因です。
何故かと言うと貧しい生活を続けていると、日々の生活に追われて問題を解決する余裕が無いからです。
また毎日繰り返されている貧しい生活が続く事で、その生活を当たり前の事だと慣れてしまっている事も要因です。
先進国では嘗ては、こういった貧しい国は遠く離れた世界の事で見て見ないふりをしてきました。
だけど放置した結果として、紛争地域の難民の流入問題や宗教がらみの紛争テロの被害にあって実害を受けるようになりました。
嘗ては対策として、金銭的な支援が主流で内政干渉はしてきませんでしたが、政治権力が腐敗している権力者の権力を維持するために使われて何の解決も出来ませんでした。

まとめ

次にやったのが国連軍などの軍事や経済制裁をおこなって、権力者の資金源を断つ方法が主流で行われますが、先進国も一枚岩では無いので上手く行っていません。
やはり外部から変えるのは難しいので、貧しい生活者にも教育の機会を与えて、自分たちの問題は自分たちで解決する方向に促していく事が重要だと思います。
世界の貧困国の国民にボランティア教師になって教えに行く事は難しいので、そういった支援を行っている団体に寄付する事をおすすめします。